こんにちは。60歳おひとり女子、夢葉いつよです。
元ケアマネジャーとして、現在は介護相談の仕事をしています。
今回は、実際に寄せられたご相談の中から「認知症のお父様が施設に入らず、在宅介護を続ける娘さん」のお話をご紹介します。とても切実な内容であり、同じような状況で悩まれている方の参考になればと思います。
「父が施設に入ってくれない…」介護の現実と苦悩
相談者は60代の女性。
20年近く実家でご両親の介護をされており、現在は認知症のお父様と同居中です。
お母様はすでに特別養護老人ホームに入所されており、寝たきり状態。
お父様は要介護1の認定を受け、物忘れが進み、転倒も増えてきたとのこと。
娘さんとしては「自分の家庭に戻りたい」気持ちがありつつも、実家に固執するお父様を一人にはできず、身動きが取れない状態。
デイサービスも週2回しか受け入れてくれないため、「代わりに24時間365日体制でヘルパーを頼めないか」とご相談いただきました。
結論:制度上は可能、でも現実は厳しい
まず、介護保険には「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」というサービスがあります。
これは1日に複数回、必要なタイミングでヘルパーが短時間訪問する制度です。ただし、24時間常駐ではなく、夜間の見守りなどには限界があります。
次に、自費(保険外)サービスを併用する方法もあります。
こちらは長時間対応や個別性の高いニーズに応えてくれますが、人材確保が難しく、費用は1時間4,000~5,000円と高額になりがちです。長期利用を前提とすると、現実的ではないケースも多くあります。
また、こうした巡回型サービスは限られた地域でしか提供されていないため、地域によっては選択肢がない可能性も。
解決のヒントは“完全解決”ではなく“部分的な分担”
私は相談者に、担当ケアマネジャーや近隣の親戚の方と連携しながら、以下のような支援の導入を提案しました。
- 配食サービス:食事の負担を減らす
- 安否確認サービス:1人でも安全に過ごせる環境づくり
- 介護保険サービスの見直し:受け入れてもらえる形を探る
しかし、相談者の方は「365日ヘルパーを」との思いが強く、代替案にはあまり耳を傾けてもらえませんでした。
それでも、お話をたくさんされたことで、少しでもお気持ちが軽くなっていればと願います。
まとめ:介護の悩みは、誰かに話すだけでも大きな一歩
今回の相談は、私にとっても考えさせられるものでした。
「制度上できること」と「実際にできること」は、必ずしも一致しません。それでも、話すことで気持ちが整理されたり、別の視点が見えてきたりすることがあります。
このブログでは、介護の現場からのリアルな声を、これからもお伝えしていきます。
どうぞ、同じ悩みを持つ方の一助となりますように。
ご感想や質問があれば、お気軽にコメントしてくださいね。
それではまた。
— 夢葉いつよ 🌿
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