【介護の現場から】ショートステイでの転倒事故…家族として施設にどう伝える?

介護

こんにちは。60歳おひとり女子の夢葉いつよです。
元ケアマネジャーとして、現在は介護相談の仕事をしています。

今回は、私が最近受けたご相談についてご紹介します。
同じように高齢のご家族を介護している方にとって、少しでも参考になれば幸いです。


ご相談内容:「ショートステイ中に夫が転倒し骨折。再利用は不安…」

相談者は高齢の奥様。認知症のあるご主人を自宅で介護していましたが、介護の限界を感じ、初めてのショートステイを利用したそうです。ところが、わずか3日目にご主人が転倒し、座骨骨折。急な病院受診や入院手続きに追われ、大変な思いをされました。

それでも介護負担を考えると、再びショートステイの利用は必要不可欠。でも同じ施設を再利用するとなると、不安や不信感がぬぐえません。

奥様からのご質問はこうでした。

「また同じ施設に預けることになりました。『今度は転ばせないでください』と施設に伝えたほうがいいでしょうか?」


伝えたい気持ちと、伝え方の工夫

結論から言えば、奥様がそう伝えたいのであれば、言っても差し支えありません。

ただし重要なのは、「どんなふうに伝えるか」ということです。
奥様のお話を伺う限り、担当ケアマネや施設から、納得できる説明がなかったご様子。その不安が募った結果、「強く伝えたい」というお気持ちが生まれているのだと思います。

でも、感情をそのままぶつけてしまうと、施設側との関係が悪化してしまうかもしれません。特に信頼関係がまだ築かれていない場合には、慎重な言葉選びが大切です。


私がおすすめした伝え方

私が奥様にお伝えしたのは、次のような言い回しでした。

「入院中に夫が寝たきりだったので、すっかり元気がなくなってしまいました。以前と様子が違うので、とても心配しています。ショートステイ中の様子について、いろいろと教えてください。」

このように「家族として心配している」ことを前面に出しながら、施設との対話を始めるのがおすすめです。

施設側も、事故については既に自治体に報告し、内部で共有や再発防止の検討はしているはずです。認知症のあるご主人が落ち着かず、目を離した隙に立ち上がってしまったとのこと。スタッフも複数の利用者を見守っている中での出来事でした。

奥様もそれを理解されたうえで、それでも不安な気持ちが残っているのです。


ご家族の想いを、丁寧に届ける

介護現場では、家族と施設の信頼関係がとても重要です。

介護保険サービスは、事前のケアプランや契約が必要なため、別の施設に変更するのも高齢の奥様には大きな負担です。
だからこそ、現在の施設との関係をできるだけ良好に保ちつつ、ご主人の安全を願うお気持ちを、上手に伝えていただきたいと思いました。


あなたなら、どう答えますか?

今回ご紹介したのは、ほんの一例にすぎません。
介護者の立場に立って一緒に考えること、寄り添うことが、私たちの大切な役割です。

このような現場の声やリアルな相談事例を、これからもブログでお届けしていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

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